薬疹
薬剤によって引き起こされる副作用で、皮膚や粘膜にできる発疹です。症状はいろいろなかたちで現れます。
固定薬疹
原因となる薬剤を使うたびに、前と同じ部位に紅斑や水疱ができるものです。唇、手、足、亀頭部、手足の関節部などによく生じ、大きさはコイン大~手のひら大。かゆみやヒリヒリした痛みがあります。
播種状紅斑丘疹型
小さな紅斑や赤いブツブツが全身に密生します。かゆみ、発熱を伴うこともあります。
多形滲出性紅斑型
手足の先や関節部に、むくんだ円い紅斑がたくさんでき、かゆみがあります。
粘膜皮膚眼症候群型
多形滲出性紅斑型の皮疹に加えて粘膜にも発疹があり、高熱や吐き気、関節痛など全身症状を伴う重症型です。
TEN型(Toxic epidermal necrolysis=Lyell型)
多形滲出性紅斑症候群の最も重症型になると、発熱、関節痛などの全身症状と共に急激に全身が赤くなり、破れやすい水疱が多発し、やけどのようなびらん面をつります。
蕁麻疹型
皮膚のふくらみ(膨疹)が多発し、短時間に出ては引っ込む症状をくり返します。発熱や腹痛を伴うこともあります。
光線(日光)疹型
投与した薬剤と日光が反応して起こります。紅斑や水疱など強い日焼け症状を起こすタイプと、光が当たった部位に湿疹ができるタイプがあります。
湿疹型
赤くなり、かゆみを伴う小さいブツブツができます。
そのほか、薬疹はエリテマトーデス型、扁平苔癬型、ざ瘡型、紫斑型など、さまざまなかたちで現れます。