医療法人美澄会 こすみ皮膚科クリニック

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皮膚病のはなし

ピアス皮膚炎

ピアス孔をあけるときは気をつけて

ピアスを着けるための孔をあけることをピアッシングといいます。ピアッシングが原因で起こるトラブルで多いのは、術後の手入れが悪くてかかる感染症と、消毒液による接触性皮膚炎(かぶれ)です。その両方を引き起こすことも多く見られます。また一部に、皮膚がニッケルなど金属自体に過剰に反応する金属アレルギーもあります。
 これらはピアスの普及とともに増えてきた新しい病気で、俗に「ピアス皮膚炎」と呼ばれています。ピアス皮膚炎になると、耳たぶが腫れ、孔はジクジクと化膿し、孔の周辺に腫瘤ができることもまれではありません。こうした事態を防ぐためにも、ピアッシングをされるときは専門の医療機関(皮膚科など)に相談されることをお勧めします。

生傷の時期に生じる炎症

ピアッシング直後のピアス孔は単なる外傷と同じですから、ピアスをはずすとすぐに傷が治り、孔もふさがってしまいます。孔を保つためには、1カ月ぐらいピアスをはずさないで過ごします。そうすると、孔内が新しい皮膚で覆われ、はずしてもふさがらない孔が完成します。トラブルのほとんどは、この1カ月間の「生傷」の期間に起きています。

ピアスを選ぶ

ピアッシングをするときの注意点としては、だいたい次の2点です。
①使用するピアスは、ピアッシング専用のピアス(スタッドといいます)にすること。金属に弱い人は金属アレルギー対応のスタッドがよいでしょう。スタッドのサイズは、装着したとき軸が耳たぶの厚みより2ミリほど長めのものを選びます。ピアッシング自体は簡単な手術で、専用の孔あけ器でスタッドを打ち込むと一瞬のうちに終わり、麻酔の必要もなく出血も全くありません。
②術後の手入れは専用の消毒液を使用すること。消毒用エタノールは、刺激が強いので生傷につけてはいけません。噴霧式消毒液やオキシドールも、頻回に使用するとかぶれやすいので避けましょう。

術後の手入れをきちんと

毎日のケアとしては、4~6週間くらい、スタッドをはずさずに軸に専用の消毒液をつけ、軸を前後にスライドさせて孔の中を消毒。その後洗い流して、綿棒で水分をふき取ります。
ピアス孔が完成するまで、慎重に手入れし、衣類やタオルなどに引っかけないよう気をつけてください。ピアスをはずせない間は、サウナや長時間の日光浴、パーマなども控えましょう。