紫斑
皮膚や粘膜に点状・斑状の出血を起こす病気です。原因としては血液成分の異常、血管の異常などがあり、なかには原因不明のものもあります。
原因が分かっているもの
血液中の血小板が少なくなって起こる―
血小板減少性紫斑
なぜそうなるのかは、その人の本来の体質によるもの(本態性)、薬物や病気によるもの(症候性)などが考えられています。
血管の炎症が原因―血管性紫斑
点状出血のほかに小さなブツブツ(丘疹)や紅斑、皮膚の膨らみ(膨疹)、血の混じった水疱などを伴うのが特徴です。このうち
アナフィラクトイド紫斑
は子どもに多い紫斑で、扁桃炎、咽頭炎の後に生じることがあります。両足のふくらはぎなどに左右対称に散在します。紫斑は適切に治療すれば3~4週間で治りますが、腎炎を併発することがあるので一年間は尿検査が必要です。血管を支える組織がもろくなって起こる―
老人性紫斑
血管を支える組織、特に弾力線維がもろくなったために起こる紫斑です。老人性紫斑はお年寄りの前腕、手の甲、下肢などによく生じます。不規則な形の斑状出血で、炎症はありません。
ほかに血漿タンパク異常、凝固因子異常、播種性血管内凝固症候群などによる紫斑があります。
原因不明のもの
慢性色素性紫斑
基本的には出血を伴う慢性の炎症ということで、皮膚の症状から①斑状型②丘疹型③血管拡張型④混合汎発型があります。
女子深在性紫斑
若い女性で、けがや打撲をしていないのに、膝を中心とする下肢に生じる紫斑です。皮下脂肪組織に青黒い斑状の出血があり、圧痛があります。
単純性紫斑
ふつうは左右対称で、主に下肢、ときに上肢、体幹、顔にもできます。点状出血で炎症はありません。