帯状疱疹
水ぼうそうのウイルスが原因
帯状疱疹はウイルスが原因で起こる病気です。このウイルスは水痘・帯状疱疹ヘルペスウイルスといい、水ぼうそうのウイルスと同じものです。
水ぼうそうはほとんどの人が幼いころにかかったことのある病気で、一度かかると終生免疫ができ、もうかかることはないといわれます。しかし、そのウイルスは、実は治ったあとも神経節に潜んでいて、十数年、数十年たって何らかの原因で体の抵抗力が落ちたときに暴れ出すことがあります。これが帯状疱疹です。
痛みと水ぶくれが現れる
症状は、まず体の一部にチクチクするような痛みが起こり、やがて赤くなって水ぶくれができます。疱疹が現れる部位は人によって異なりますが、顔、胸から背中、おなかなどに多くみられ、やがて神経に沿って体の片側だけに帯状に広がります。
その後の痛みの程度は人それぞれ…、例えばチリチリと焼けるような痛みだったり、突き刺すような痛みだったり、あるいはアリがはい回るような感じだったりします。
症状が現れたら、できるだけ早めに受診してください。抗ウイルス剤、鎮痛剤、ビタミン剤など、症状に応じた治療が必要です。服用方法をきちんと守ることが早く治すポイントでしょう。
水ぶくれが治るまでは用心して
帯状疱疹はふつう、人にはうつりません。ただし、まだ水ぼうそうにかかっていない人と接触すると、相手が水ぼうそうになってしまうことがあるので、水ぶくれが治るまではまだ水ぼうそうにかかっていない赤ちゃんや子ども、妊婦などには接触しない方がいいでしょう。
ふつう、再発はないけれど…
帯状疱疹は、一度かかるとまず再発はないとされています。ただし、体の免疫機能がひどく弱まった場合は再発することがあります。再発する人は100~200人に1人くらいといわれています。
一方、よく間違えやすい病気に、病名も症状も似た単純疱疹(単純ヘルペス)があります。これは単純ヘルペスウイルスが原因のまったく別の病気です。痛みはさほど感じませんが、再発を繰り返すという特徴があります。
安静を第一に
帯状疱疹を発症するのは、疲れやストレスなどで抵抗力が落ちている証拠。治療は薬物療法になりますが、まずは安静を第一とし、十分な栄養と睡眠を心がけましょう。多くは3~4週間で皮膚の症状も回復し、痛みも軽くなります。ただ、年配の人ほどその後、帯状疱疹後神経痛として痛みが残る場合があり、長い人では数年にも及びます。このような場合には、医師の指導に従って治療を続けてください。