医療法人美澄会 こすみ皮膚科クリニック

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皮膚病のはなし

ステロイド外用薬とはどんな薬?

色素が抜ける病気

うまく使えばとても便利 一般にステロイド外用薬とは、副腎皮質ホルモンを含む塗り薬のことです。副腎皮質ホルモンはもともと体内に存在するもので、炎症を抑えたり、タンパク質の合成を抑制したり、血糖を上昇させるなど、多くの作用があります。その中の炎症を抑える作用だけを強めた塗り薬がステロイド外用薬です。
ステロイド外用薬は、あまり症状がひどくないときに使うものではありません。しかし症状がひどい場合には、これほど症状をコントロールするのに有効な薬はなく、使わなくてはいけない時期に使わないでいると、しなくてもよい苦しみを味わう羽目になります。

誤解されたままでは、悲しすぎる…

何年か前にマスコミがこぞってステロイド外用薬の批判をした時期がありました。副作用の怖さだけを強調した報道のために、今もステロイド外用薬は恐い薬だと思い込み、民間療法に走る人や、ステロイド外用薬を使おうとせずいつまでも症状を長引かせる人がいます。どうしてそんながまんをするのでしょう。それよりもステロイド外用薬のよい点を認め、うまく利用して症状を軽減させるほうが賢明な選択ではないでしょうか。
ステロイド外用薬は正しく使用すれば副作用のほとんどない安全な薬です。ただし使い方を誤れば、かえってひどくなることがあるのです。恐いのはステロイド外用薬そのものではなく、薬の使い方を誤ってしまうことにあります。こうした事故を防ぐためには、皮膚科専門医の指示に従い、症状に合った薬を使うことが大事です。

効果を見ながら薬を使い分け

ステロイド外用薬は、効果の強いものから弱いものまで5段階に分かれています。種類によって吸収率も違い、塗布する身体の部位によっても吸収率が全く違います(顔面、外陰部では特に吸収率が高くなります)。医師は症状や部位に合わせて、薬の選択をします。そして症状がよくなれば、徐々に使用回数を減らし、効果の弱いものやステロイドの全く含まれていない軟膏に変更しながら治療していきます。

薬は両刃の剣と同じ

ステロイド外用薬は、患者さんの状態によっては副作用が出ることがあります。また、炎症を抑える作用が強いため、中止するタイミングによっては前より症状が悪くなることもあります(リバウンドといいます)。しかし、ステロイド外用薬に限らず、薬というのは両刃の剣のようなものです。刃物は使い方次第でおいしい料理を作るときの包丁にもなるし、恐ろしい犯罪の凶器にもなるでしょう。だからこそ、適切な使い方が必要なわけです。
ステロイド外用薬は大変優れた薬であり、皮膚科専門医の指示のもとで正しく使えば怖い薬ではありません。非ステロイド外用薬のほうがかぶれやすいのです。ステロイド外用薬を必要以上に恐れないで、自分に合った用法・用量を守ることでつらい症状を抑え、QOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)を重視した生活を楽しんでほしいものです。疑問点や不安があるときは、皮膚科専門医にご相談ください。