水虫
体にすみつくカビ
水虫とは、正しくは足白癬(はくせん)といい、カビの一種である白癬菌が皮膚の角質層にすみついて起こる病気です。
高温多湿を好む白癬菌は、梅雨時から夏場にかけて活動を盛んにするので、その時期になると水虫の症状に悩まされる人も多くなります。もっとも、最近は家庭やオフィスの暖房設備が整っているので、冬にかゆくなったりする場合もあります。
症状は3タイプ
ひとくちに水虫といっても症状はさまざまです。大別すると、
趾間(しかん)型 足指の間にでき、ふやけたような感じになる。
②小水疱型 土踏まずや側縁などにでき、丸く皮がむけたりする。代表的な水虫のタイプで、かゆみがひどい。
③角質増植型 足の裏全体の皮が厚くなり、カサカサになる。かゆみは乏しい。夏より冬に悪化し、ひび割れて痛む。爪白癬になりやすい。非常に治りにくい。
の3タイプがあり、それぞれの症状に適した治療を行います。
清潔と乾燥を心がけよう
日常のケアとしては、次のような注意が効果的です。
・患部を毎日、石鹸でていねいに洗い、よく乾燥させる。
・患部に少なくとも1日1回は必ず薬をつける(風呂上がりが有効)。
・靴下は木綿など吸湿性に優れた素材を使用し、毎日取り替える(洗濯の際はできるだけ直射日光に当て、よく乾かす)。
・靴は窮屈でなく、通気性のよいものを選ぶ(できればサンダルなど)
根気よく治そう
大切なのは、完治するまで根気よく治療を続けることです。塗り薬などで表面上は治ったかに見えても、水虫菌(白癬菌)は皮膚の奥や爪の中などでしぶとく生き続けていることもあります。つまり、治ったと思い込んでいても、本当は水虫菌が一時的に休んでいるだけ。この時点で治療をやめてしまうと、必ずと言っていいほど再発してしまいます。
水虫菌を完全に消滅させるには、かゆみがなくなり、皮膚の状態が回復した後も、さらに2~4週間は薬を塗り続けなければいけません。長年来の水虫ともなれば、完治するまで2年ほどかかることもあります。
家族でうつし合わないで
注意してほしいのは、家庭内感染です。家庭内に複数の患者がいる場合、その中の1人が完治しても、再びほかの家族から感染してしまう恐れがあります。そうやって家族が互いにピンポンのように水虫菌をうつし合っていては、いつまでたっても水虫菌から逃れられません。最近は乳幼児が発症するという問題も起きているので、機会を見つけて一度、家族全員で検査してみるとよいでしょう。
家庭内では、次の点に注意し、感染予防に努めてください。
・患者とほかの家族は、タオルや風呂場のマット、スリッパ(トイレ用も)などを共有しない。
・畳や床、じゅうたんなどに念入りに掃除機をかけ、室内に落ちている水虫菌(はがれ落ちた皮膚やちりに含まれる)をこまめに取り除く。