医療法人美澄会 こすみ皮膚科クリニック

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皮膚病のはなし

アタマジラミ症

血を吸う寄生虫

シラミ類はヒトや獣類に寄生して血を吸う昆虫で、ヒトに寄生するシラミはアタマジラミ、コロモジラミ、ケジラミがあります。
なかでも最近、子どもに見られるようになり問題となったのは、頭髪に寄生するアタマジラミです。アタマジラミの成虫の大きさは2~3ミリ、平べったい楕円形で、黒灰色を帯びています。1匹の寿命は約1カ月、3~4週間の産卵期間中、1日3~9個の卵を産み、卵は7日前後でう化します。
わが国では第二次大戦後の混乱期に蔓延したことがありました。その後絶滅したかに見えたのですが、昭和46年ごろから乳児・学童に集団発生し、世間を驚かせました。

ほかの人にもうつる

アタマジラミにかまれると、かゆみ症状を起こすのが特徴。なかにはかきむしって湿疹になったり、うみやかさぶたのおできができたり、後頭部リンパ節炎などを合併することもあるので油断できません。そのうえ、アタマシラミは頭髪の接触やタオル、くしなどを介して周囲の人にも広まります。見つけたらすぐに駆除し、治療しましょう。

頑固なフケや湿疹は注意

アタマジラミが寄生しているかどうかは、毛髪の中に卵を見つけることですぐに分かります。毛髪に産みつけられた卵は一見フケのようですが、はたけば簡単に落ちるフケと違い、指でしごいても落ちないくらいピタッと毛髪にこびりついています。う化した抜け殻もなかなかとれません。ですから、簡単におちないフケで悩んでいたり、頭に治りにくい湿疹がある人は、専門医(皮膚科)に受診されるようお勧めします。

家族ぐるみで駆除を

治療は、かゆみや湿疹の治療に加え、成虫と卵の駆除を徹底して行います。これは家族全員で同時に治療すると効果的です。殺虫剤スミスリンパウダー(市販されています)で成虫を根絶し、毛髪に付着した卵や抜け殻は、目の詰まったくしで丹念に除去します。

予防としては、
・洗髪を十分に行い、髪を不必要に長くしない
・寝具を清潔に保つ
・帽子やヘアブラシ、くし、タオルの共用を避ける

―などを心がけることです。普通の生活環境でも条件次第では発症することを忘れず、常に衛生上の点検を怠らないようにしましょう。